むくみの原因とメカニズム

むくみは、身体に水分が過剰に溜まった状態です。むくみの原因は、生活習慣や食生活などによって起こることがあります。また、病気の症状や薬の副作用としてのむくみもあるため、安易に考えないことが大切です。ここでは、具体的にむくみはどのようにして起こるのか、その原因と合わせて解説します。

むくみの正体とは

むくみの正体は、細胞と細胞の間に存在する組織液が過剰に溜まった状態です。組織液は間質液とも呼ばれ、静脈の詰まりやリンパ液の流れの滞りなど様々な原因で過剰に蓄積されます。

血液循環が滞るため

血液の循環が悪くなることでむくみが起こります。血液は、心臓から動脈を通って全身へと運ばれます。足まで運ばれた血液は静脈を通って心臓に戻ります。血液は、筋肉が収縮することによるポンプ作用によって心臓に戻されるのですが、ポンプ作用が十分に働いていないと、血液中の水分が皮膚と皮下脂肪の間に溜まってむくむようになります。

特に、足がむくむことが多いのですが、これは足が心臓から遠い位置にあることと、重力に従って血液を心臓へ戻さなければならないことにより、足の血流が悪くなりやすいためです。

リンパ液の循環が滞るため

リンパ液は、体内の老廃物の回収や排出、ウイルスや病原体などの外敵から身を守る役割を果たしています。リンパ液によって回収された老廃物は身体の各所(ひざ裏、首、脇など)に点在するリンパ節でろ過されますが、この仕組みがうまくいかなくなると、水分が溜まってむくみに繋がります。

日常生活の中でむくみを引き起こしてしまう要因

普段からむくむことが多い場合には、日常生活のどこかに原因があるかもしれません。むくみの原因は非常に多いので、一つずつ確認していきましょう。

長時間同じ姿勢でいる

立ち仕事やデスクワークの方は、同じ姿勢を長時間続けることが多く、ふくらはぎの動きが少なくなります。その結果、ふくらはぎの筋肉が収縮しにくくなります。血液を心臓へと押し戻すポンプ作用はふくらはぎの筋肉によるものであるため、ふくらはぎの筋肉がうまく収縮しなくなると、ポンプ作用が低下してむくみに繋がります。

また、重力に逆らって血液を心臓に押し戻すことになるため、余計にむくみやすくなると考えられます。

運動不足による筋力の低下

ふくらはぎの筋肉の収縮が悪くなる原因に、運動不足があります。ふくらはぎの筋肉の収縮が悪くなるとポンプ作用がうまくいかなくなり、心臓へ効率的に血液を戻すことができなくなりむくみが起こります。

冷え

身体の冷えは血行不良を招きます。足先の毛細血管まで十分に血液が循環しなくなることで、血液やリンパが流れにくくなってむくみます。

偏食や塩分の摂りすぎ

栄養バランスの偏った食事を摂ることもむくみに繋がります。極端なダイエットによって肉類の摂取量が減ると、タンパク質が不足します。栄養は血液によって全身に運ばれるのですが、血液中のタンパク質の濃度が低下すると浸透圧の作用で水分を血管内に留めておくことができなくなります。その結果、血管の外へと水分が漏れ出て溜まり、むくむようになります。また、塩分(ナトリウム)の過剰摂取も身体に水分を過剰に溜め込むことに繋がるため、むくみの原因になります。

アルコールの摂取

アルコールには、尿の排泄を促す利尿作用があります。そのため、お酒の飲みすぎは水分の過剰な排泄に繋がります。その結果、血液の濃度が上昇し、浸透圧によって血管の外の水分が血管内に取り込まれてむくみとして現れます。むくみは、皮膚の薄い部分に現れやすいため、飲酒をしているときにむくみが現れた場合は飲むのをやめた方がよいでしょう。

病気や薬の副作用

病気や薬の副作用によるむくみは、自己判断によるケアでは改善が期待できません。安易な判断をせず、病院で医師に相談することが大切です。

甲状腺機能の低下

甲状腺ホルモンは、全身で行われている様々な代謝の機能を保つために必要なホルモンです。そのため、甲状腺ホルモンが不足すると代謝が悪くなり、身体の活動性が低下します。さらに、甲状腺機能が低下することで、ムコ多糖が皮膚の下に溜まり、むくみを招いてしまいます。

甲状腺機能低下症や産後すぐの甲状腺機能の一次的な低下などが原因となります。

心臓病や肝臓病などの内臓疾患

心不全や腎不全、内臓疾患などがあると、むくみやすくなる傾向があります。見た目からして水分が溜まっていることがわかるだけではなく、体内にも水分が溜まります。そうなると、生命に危険が及ぶ場合もあるため、できるだけ早く治療を受けなければなりません。

心不全
心臓はポンプ作用によって全身へ血液を送り届ける役割を果たしているため、心臓の機能が低下すると静脈系に水分が溜まりやすくなり、むくみます。
腎不全
身体の過剰な水分を尿として排泄する役割を果たしているため、腎機能が低下すると水分が身体に溜まります。
肝不全
肝臓はタンパク質を合成して身体の機能を保つ役割を果たしているため、肝機能が低下するとタンパク質を十分に作れなくなり、血液中のタンパク質濃度が低下して水分が血管の外へと漏れるようになります。

薬の副作用

薬の成分は、血液とともに全身へと運ばれて効果を発揮します。しかし、薬の成分によって血液中の成分のバランスが変化すると、肝臓や腎臓に悪影響が及び、むくみやすくなることがあります。副作用にむくみがある薬としては、糖尿病や高血圧の薬、消炎鎮痛剤、グリチルリチン製剤、甘草などが挙げられます。

また、市販薬では消炎鎮痛剤であるロキソニンなどがあるので、糖尿病や高血圧の薬などと併用していると余計にむくみやすくなるかもしれません。

薬の使用を中止したり変更したりするとむくみが改善する可能性があるので、医師に相談しましょう。

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